OUR STORY
「令和」ゆかりの地で
まちの人々の想いと歴史がかたちに。
大陸文化への玄関口として1300年以上の歴史が続く太宰府市は、かつて「遠朝廷(とおのみかど)」と呼ばれ栄華を極めました。新元号「令和」の名の由来となった「梅花の歌」が詠まれたのも、ここ大宰府政庁跡にある坂本八幡神社と言われています。江戸時代には、太宰府参詣とともに周辺の名所旧跡を巡る遊山を兼ねた「さいふまいり」が流行し、伊勢神宮を参拝する「お伊勢詣り」と同じように旅先として人々に浸透していました。今もなお1,000万人を超える人々が訪れる太宰府ですが、日帰りや通過型の旅行者がほとんどで、門前町の歴史ある建物には未使用のものも多く、まちの魅力が充分に伝わらないという課題がありました。

そこで、民間各社が共同設立したまちづくり会社が事業主体となってホテルプロジェクトが始動。歴史的価値のある建物を再生し、旅行者がまちに溶け込むように楽しめる宿泊施設を目指しました。まち全体をホテルと見立てて、町の中で連携していくことで単に泊まるだけではなく、アクティビティやツアーを通して太宰府の文化、風習をより近く感じられる豊かな学びの時間をご提供しています。ホテル名の「カルティア」は「CULTURE(文化)」から由来し、九州が大陸からの文化の玄関口だったことになぞらえ「門」をモチーフしたロゴになっています。そのむかし、太宰府参りに訪れた人々のように、独特の歴史と美しい自然に恵まれた太宰府の魅力を感じていただきたい、そんな想いが集まって、ホテルは生まれました。


時の堆積をそのままに
建物の魅力を蘇らせるリノベーション

私たちは建物が最も輝いていた時代の趣や風情を取り戻し、古民家の良さを「そのまま生かす」ことを大切にしています。すすけた壁や天井。変色した土壁や天井板。傷のある柱。例えばこういった、経年劣化や汚れと見られがちなところも、全て新しくきれいにはしてしまわず、建物の持つ時間をできるだけ残しています。古民家に身を置くと「懐かしい」「なぜか落ち着く」そんな風に感じるのは、その時間の堆積を無意識に感じ取っているからかもしれません。窓やたたみ、土間、縁側、建具には、日本人が大切にしてきた暮らしが息づいており、地域の歴史や風土、生活文化を今に伝えてくれています。断熱性や遮音性が現代建築に比べると十分ではない部分がございますが、建物に積み重なった時を感じることで、ここ太宰府ならではのひとときをお過ごしいただけるよう願っています。

ひとつの情景から、いくつもの喜びを。
〝時〟を旅するホテル
ホテルの運営は、「VMG HOTELS & UNIQUE VENUES」。伝統的建造物群保存地区に残る建造物や国指定文化財を活かしたブティックホテルです。その町や建物の歴史・背景を尊重して一つひとつ異なるコンセプトを紡ぎだし、まちに溶けこむように泊まる、時を越えた体験をご提供しています。


